紹介① リハビリの結果と責任

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広報担当の北海道脳神経外科記念病院の横山です。

 

昨年セラピストマネジャー研修の中で紹介された本です。自分で読んでみても感銘を受けたので、ここで改めて紹介させていただきたいと思います。

 

タイトルは、「リハビリの結果と責任」

 

なかなかしびれるタイトルですよね。

 

内容的には、よくあるあるの病気や事故で障害が生じて、最初は受け止めきれなかったけど、リハビリの先生達のおかげで回復できました、ありがとうございました。

というような内容では全くありません。

 

どちらかといえば、リハビリにプロ意識はあるのか?良くならないのは本当に患者の責任?リハビリスタッフの責任はないのか?仕事として、プロとして患者が示す結果に対してもっと責任があるのではないか?と、リハビリスタッフは新人からベテランまで考えさせられる内容になっていると思われます。

 

日本の現在のリハビリは、「医師の指示の下」という文言で、良くも悪くも守られているように思います。

 

もちろんリハビリとしてのプライドや責任は各自程度は違えどあると思います。

 

ただ、「医師の指示の下」という文言があることで少なからず責任から逃れられるという意識は芽生えてしまうのではないでしょうか。加えて、言い方は悪くなってしまいますが、患者さんを素晴らしく良くしようが、良くできなかろうが、もらえる報酬としての給料にはさほど差がでないのが現状だと思います。

むしろ、良くしようとするために自己研鑽しようと研修会や学会などにお金を使うことで出費がかさんでしまう可能性も少なくありません。

 

基本的な責任は医師、報酬がほぼ変わらないなら自己研鑽はほどほどにして、プライベートを充実させる。

 

今の世の中の風潮も加えるとこんな感じではないでしょうか。そりゃ、プロの仕事としての責任感をもっと持てというほうが難しいのかもしれません。

 

ただ、金銭だけじゃない報酬が私達医療者にはあります。

 

それは、患者さんや家族の笑顔や患者の言葉です。人の役に立ちたいという動機を持ってこの仕事に就いている人がほとんどだと思います。それが実感できたときが金銭以上の報酬を得られたと感じるときではないでしょうか。

 

そういう経験から、よりプロとしての責任が芽生えてくるのではないかと思います。

 

中堅になり少しずつ薄れてきてしまった気持ちを思い起こさせてくれる一冊です。

 

どなたかのご参考になれば幸いです。